株式会社乗富鉄工所
水面に広がる波紋

役割は、与えられるものではなく、
話し合ってつくるもの。

Growth Dialogue
株式会社乗富鉄工所 / 2026年7月
※これは、いまの時点での考え方です。会社の状況に合わせて、言葉づかいだけでなく仕組みそのものも、これから変わっていくことがあります。
成長対話シート(記入用)

下のリンクから、記入用のシートをダウンロードできます。印刷される方は、A3で印刷してお使いください。

⬇ 成長対話シート(Excel)をダウンロード

About

役割等級は、その人が会社の中で、どれだけ大きなことを任せられているかを表しています。簡単な仕事をたくさんこなせるかではなく、大事で難しい仕事を、会社がどれだけ安心して手放して、任せられるか

そして、大きなことを任せられる人のまわりでは、良い影響の届く範囲も自然と広がっていきます。

人の優劣を格付けするものではありません。担っている役割の大きさを、みんなで共通に見るための目安として、便宜的に1〜6の数字を置いているだけです。
あなた 1 2 3 4 5 6

役割等級は、順位の階段ではありません。あなたの良い影響が届く範囲が、波紋のように広がっていくイメージです。

  • 1自分の手元まで。まわりに助けてもらいながら、まず自分の仕事を持てるようになる
  • 2自分の持ち場まで。任された仕事を、ひとりでやりきれる
  • 3自分の持ち場を超えて。後輩や隣の仕事にも、良い影響が届き始める
  • 4分野まるごと。人をまとめる形でも、技を極める形でも、その分野を背負って良くしていく
  • 5会社全体まで。自分が関わっていない場所まで、良くなっていく
  • 6世の中まで。「こういう世の中にしたい」という願いを、事業の形にしていく

01役割が大きくなっていく道は、三つあります

どれでもかまいません(全部できなくても大丈夫です)。

人と仕事を、まとめて任される

他の部署とのあいだに立って調整する。外とのやりとりを引き受ける。だれに何をやってもらうかを決める。仕組みをつくって、うまくいっていないところを整理する。そうやって表からも裏からも手を動かして、まわりの人が安心して自分の仕事に取り組めるようにする——部門がうまく回るようにする道です(いわゆるマネジメントです)。ただし、この会社では必須ではありません。

たとえば他の部署とのあいだに立って、止まっていた話をまとめる/外とのやりとりを引き受ける/部門の仕事の流れをつくり直す/後輩が一人で任されるところまで育てる

その人にしか、できない仕事がある

この人にしか作れないものがある。この人にしか設計できないものがある。この人でなければ、やりきれない仕事がある。

細かい技の一つひとつではありません。仕事まるごとが、その人と結びついている状態です。人をまとめる役でなくても、役割は大きくなります。

たとえば他社が断った形を、任されて作りきる/新しい製品を、構想から形にする/難しい現場を、最初から最後まで一人で成立させる

その人の名前で、仕事が来る

会社の外で、その人個人が信用されている状態です。その業界の中で名前が知られ、一目置かれ、指名で相談が来る。

会社の信用を使う側から、会社に信用を持ち込む側に回るということです。営業だけの話ではありません。

たとえばその業界で名前が知られ、一目置かれている/指名で相談が来る/外での発言が、業界の中で重みを持つ

※まわりが働きやすくなること(人への感性)は、この三つには入っていません。道ではなく、どの道を歩く人にも持っていてほしい土台だと考えているからです。
※仕事の"大変さ"そのものは基準ではありません。

02役割等級は、三つの面から見ます

役割

どんな仕事を、どこまで担っているか。

やりたいことについて

自分のやりたいことと、会社のめざす方向が、どのくらい重なってきているか。

人への感性について

人を見る力・関わる力が、どのくらい育っているか。

※このあとの1級〜6級のページで、それぞれの色分けで示しています。

03大切にしたい、四つの考え方

1
人の価値の順位ではありません。

1級の人が2級の人より劣っている、ということでは決してありません。いま会社が、どんな役割をその人と一緒につくっているか——それを表しているだけです。

2
役割を大きくすることが目的ではありません。

自分の道を、同じ場所で深く歩き続ける人生も、まったく正しい。役割等級は進まなければいけない階段ではなく、自分がいま会社のどこにいるのかを知るための地図だと思ってください。

3
会社が一方的に決めるものではありません。

本人が申し出て、話し合って決めます。決まるまでの流れは、「成長対話の流れ」の章の通りです。

4
一度決まった役割等級を、会社の都合で変えることはありません。

そのうえで、自分の意思で役割を軽くすることもできます。体調のこと、家族のこと、人生のいろいろな時期に合わせて、役割を減らしたいと思ったら、そう言ってください。そしてまた戻りたくなったら、いつでも戻れます。一方向に進むだけの道ではありません。

水面に映る風景

Process

これは「評価」ではなく、「投資」です。

いちばん大事なところなので、はじめに書いておきます。

この仕組みは、「いま頑張っているから、もう4級だね」と会社が評価して決めるものではありません

本人が「自分は、こういう役割を担いたい」と会社に申し出る仕組みです。言いかえれば、「自分に投資してください」と、自分から会社にプレゼンテーションすること——それが、この仕組みのいちばん根本にある考え方です。

だから会社は、これまでの成果を採点しているのではありません。これから担ってくれる役割に、先に投資するかどうかを判断しています。投資である以上、かんたんに決められるものではありませんし、こちらも真剣に向き合います。

そして投資である以上、「自分に投資してもらえたら、会社に何が返ってくるのか」を、自分の言葉で語ってほしいと思っています。

大きなことでなくてかまいません。先輩に聞かなくても自分で進められるようになることかもしれないし、まわりが困っていることを引き受けることかもしれない。その人にしか作れないものを持つことや、技術を次の世代に受け継ぐことかもしれません。形も大きさも、人によってまったく違います

このあとの1級〜6級の説明を読んで、自分の場合はそれが何なのかを、考えてみてください。

役割等級が変わるときは、次のような流れで進みます。

Step1
シートを書く本人 + サポーター

本人が成長対話シートを書きます。ひとりで書き上げる必要はありません。サポーターと話し合いながら、少しずつ書き進めてください

「自分はいまどこにいるのか」「次に何を担いたいのか」を、言葉にしていく時間です。

シート以外の資料も、大歓迎です。

シート(申請書)の提出は必須ですが、それだけに限る必要はありません。補足の資料を添えたり、自分の思いをプレゼンテーションしたいという方は、ぜひそうしてください。

とくに大きな役割に進もうとする場合、会社にとっても非常に大きな判断になります。かんたんに合意できるものではありません。ですから、自分のやりたいことをしっかり伝えるために「シートだけでは足りない」と感じたら、遠慮なく資料をつくってきてください。

Step2
本面談で話し合う本人 + 代表 + 人事(+サポーター)

書き上げたシートをもとに、代表・人事担当者と話し合います。場合によっては、サポーターも同席します。

シートは、本人から会社への提案です。会社はそれを受け取り、「では、どういう役割があり得るか」を本人と一緒に考えていきます。

Step3
役割を決めて、合意する本人 + 会社

担う役割がはっきりし、本人と会社の両方が納得できたところで、役割等級が変わります。

■ 一度で決まるとは限りません。
話し合いは、2回、3回と繰り返すことがあります。また、本人の希望がそのまますべて通るわけでもありません。会社には会社の事情や、他の部署との兼ね合いもあります。
だからこそ、これは「申請して承認をもらう手続き」ではなく、会社と本人が、時間をかけて話し合う場だと考えてください。
■ お互いに、真剣に

この対話には、会社としてもかなりの時間と手間をかけています。ですから、本人にも、それなりの覚悟を持って臨んでほしいと思っています。

少なくとも、シートが書けていない状態で臨んだ場合、そのタイミングで役割等級が変わることは基本的にありません。それだけの真剣さで来てほしいのです。

そのかわり、私もその分、みなさんの気持ちに真剣に応えます。

給料(昇給)の決まり方

役割等級が変わると、給料もそれに応じて変わります。それとは別に、いまの役割等級のまま毎年の昇給を決める場が「未来投資会議」です。くわしくは別のページにまとめています。

未来投資会議について を読む →

Value

この会社で担う役割が大きくなるということは、給料が増えるだけでなく、まわりへの影響力が大きくなるということです。大きな役割を担う人ほど、その人の言葉づかいや機嫌や態度が、職場の空気を決めてしまいます。

だから、この会社では、仕事の力と同じくらい、「人への感性」を大切にします。ひとことで言えば、まわりの人が働きやすくなるかどうか、そしてこの人となら一緒にやりたいと思ってもらえるかどうかです。

それは社内だけの話ではありません。お客さまや、地域の人たちにも同じように働きます。「あの人がいるから、乗富に頼みたい」——そう思ってもらえる関係を、一人ひとりがつくっていける。人への感性は、会社のファンをつくる力でもあります。

できている・できていないの二つに分かれるものではなく、だれもが少しずつ育てていくものだと考えています。

「人への感性」とは、こういうことです。

  • 気づいたら、相手のためになる動きを自然にしている人。うわべだけの親切ではなく、かといって自分をすり減らす我慢でもなく、自然にそれができる人。
  • 相手には相手の事情があって、自分とは違う景色を見ている」ということが、ちゃんと分かっている人。
  • だから、自分のこだわりだけで視野が狭くならず、相手や場面に合わせて、伝え方や動き方を変えられる人。

そして、この「人への感性」は、担う役割が大きくなるほど強く求められます。各等級に添えた「人への感性について」が、その道すじです。

  • 前向きな空気は、にぎやかであることではありません。静かな人の穏やかさも、立派な前向きな空気です
  • 反対意見や厳しい指摘は、空気を悪くすることではありません。むしろ歓迎します。見るのは「何を言うか」ではなく「どう言うか」です。
静かに広がる波紋

Grades

ここからは、1級から6級まで、それぞれがどんな役割を担っているのかを書いています。

それぞれに、やりたいことについて人への感性についてを添えています。これは条件ではなく、役割が大きくなるにつれて、自然とそうなっていく——その道すじを描いたものです。

1
助けてもらいながら、仕事を覚えていく

まわりに教えてもらい、助けてもらいながら、言われた仕事をやりきる段階です。

  • まずは、自分の担当の仕事を持てるようになることが目標です。
やりたいことについて:やりたいことは、まだ見つかっていなくてかまいません。
人への感性について:あいさつやお礼がきちんとでき、まわりに気持ちよく助けてもらえる素直さがあります。
2
言われた仕事は、自分ひとりでできる

基本的な知識と経験が身についていて、こまかく指示されなくても、自分の担当の仕事を進められます。

  • 難しい仕事でも、「どうすればいいか」を自分で考えて動けます。
  • 任せられるのは、自分の担当の仕事です。
  • 会社が何をめざしているのかを、頭のどこかで意識している——この段階では、それくらいで十分です。
やりたいことについて:少なくとも、目の前の仕事が「やりたくないこと」ではなく、そこに楽しみを見出そうとしています。
人への感性について:頼まれやすく、聞かれやすい人になっています。自分の機嫌や態度が、まわりの働きやすさに影響することに気づいています。
3
持ち場を超えて、流れをつくっている人

ここには、2級との間に大きな段差があります。あっさり越えられる段差ではありません。2級が「自分の仕事をきちんとこなす」段階だとすれば、3級は、自分の仕事は完全に任せられる——大きめの仕事をまるごと任せても、見ていなくてもやりきる——そのうえで、自分の持ち場を超えて、まわりに仕事の流れをつくっている段階です。滞っているものを動かし、止まっていたものが回り始める——そういう働きをしています。

  • 自分が中心になって進める"何か"を、一つ持っています。大きなものでなくてかまいません。職場の改善、仕事の仕組みづくり、小さな企画——「これはあの人が進めてくれている」と言えるものがあることが大切です。
  • それを一人で抱え込まず、まわりを巻き込みながら実現していきます。
  • 部門と部門のあいだ、人と人のあいだにこぼれ落ちてしまう仕事を、自分から拾って片づけたり、整理したりし始めています。誰の担当でもない仕事を放っておかない——これが、小さなリーダーシップの芽生えです。
  • 若手にとって「まず頼る先輩」になっていて、自分のやり方が、まわりの手本になり始めています。
  • 後輩に教える・支える側にも、回り始めています。
  • 仕事を楽しんでいて、その空気がまわりにも伝わっています。
  • 仕事に自信がついてくる時期です。それでも、自分の知っている技術や知識は、広い世界ではまだ通用しないことも多く、学ぶべきことがいくらでもある——という自覚を持っています。「自分は何でも知っている」と思った瞬間に、成長は止まるからです。
  • 会社がめざしていること——「OPEN THE GATE」「つくる力で世界をつなぐ」「やりたいを叶える」「クリエイティブであること」——を少し意識した行動が、気づいたら自然とできています。
やりたいことについて:「自分はこれがやりたいのかもしれない」という兆しが、仕事の中から見え始めています。
人への感性について:相手の事情を考えて、伝え方を選べるようになっています。後輩にとって「話しかけやすい先輩」であることが、指導を任される土台です。
3級は、自分の態度が、まわりの働きやすさを左右し始める立場です。だからここで一度、自分を振り返ってみてください。悪気なく起きることですが——言い方が硬い/決まりごとに厳しすぎる/言っていることは正しいけれど、余白がない。そういう接し方をしていると、人はだんだん話しかけてこなくなります。自分では気づきにくいことなので、3級からは「自分は話しかけやすい人になっているだろうか」と、ときどき自分に問いかけてほしいのです。
そして3級では、この会社らしさを、自分の振る舞いで体現していることを期待します。
  • 私たちが大切にしているのは、自由に、楽しく働くこと。それも自分だけでなく、まわりのみんなが楽しく働けることです。(楽しくとは、はしゃぐことではありません。その人がその人らしくいられる、ということです)
  • ルールや決まりごとは、そのためにあります。ルールを守ること自体が目的ではありません。だから、安全や法令などで縛られているものを除き、「なぜこのルールがあるのか」を説明できるくらい構造が分かったなら、そのルールは変えていい。むしろ、変える提案をしてほしいのです。
  • ただし逆に言えば、なぜあるのか分からないまま破るのは違います。分かった人だけが、変えられます。
  • つまりここで言う会社らしさとは、まわりに合わせることではなく、まわりの自由を広げる側に回ることです。
4
会社のエース。だれもが一目置き、若手が「あの人みたいになりたい」と憧れる人覚悟が要る一線

4級は、自分の仕事だけでなく、一つの分野や部門を"まるごと"引き受けて、良くしていける人です。ここに進むのは、決してたやすいことではありません。「言われた仕事をこなす」から、「自分でやることを決めて、その結果まで背負う」へと、役割が大きく変わります。ですから、"がんばります""担当を増やします"だけでは届きません。腹をくくって、その役割を引き受けること——それが4級です。だから、なんとなくで決めることはしません。

役割の広げ方は、次のどれでもかまいません(どれも「難しく・会社に効く」ことが条件です)。

  • 一.人と仕事を、まとめて任される:部門をまとめて良くしていく。仲間のやりたいを引き出す。売上や、会社に大きく効く取り組みを引っぱる。
  • 二.その人にしか、できない仕事がある:この人にしか作れない、この人にしか設計できない、この人でなければやりきれない——そういう仕事をまるごと持っている(ものづくりや専門の道のエース)。
  • 三.その人の名前で、仕事が来る:会社の看板ではなく、その人個人が外で信用されている。指名で相談が来る。

そして4級は、若手が手本にし、「あの人みたいになりたい」と憧れる存在です。ただ仕事ができるだけでなく、その背中が、まわりの目標になります。

やりたいことについて:自分のやりたいことと、会社のめざす方向が、ある程度重なってきています。だからこそ、大きな役割を「自分ごと」として引き受けられます。
だから4級に進むときは、代表と「あなたの夢は何ですか?」という対話をします。あなたが将来ありたい姿と、会社がありたい姿が、どういう形で重なるのか。そこが重なっていると感じられたときに、4級の役割を担うことになります。
そして、その夢を夢のままで終わらせないために、「それを実現するために、会社の中でどんな役割を担っていくか」を一緒に考えます。ですから、3級から4級に進むときには、やることが大きく変わることもあります。
人への感性について:「相手には相手の事情があり、自分とは違う景色を見ている」——これは誰でも口では言えます。4級で求められるのは、その先の力です。ここから先では、これは"なくてはならない力"です。
  • 相手の事情をしっかり飲み込んだうえで、一旦、自分の見え方や感情をコントロールできる。
  • ただ妥協して間を取るのではなく、双方が本当に納得できる"第3の道"を見つけ出せる。
  • 自分と相手だけでなく、相手と第三者など、複数の人の景色をつなげられる——立場の違う人たちの結び目になれる。
憧れられる背中は、仕事の腕と、この人への感性の、両方でできています。
そしてこのころから、人からどう思われているかを、少し気にしなくてよくなってきます。自分にはやりたいことがある——そう思えるようになるからです。その分の余裕が、まわりを見ることに使えるようになります。
★ 自分の道しるべを、ひとつ決める(4級から) 4級に進むタイミングで、「自分は何を追いかけるか」を代表と話し合い、ひとつだけ決めて、会社と約束します。迷ったときに立ち返る、自分の道しるべです。

選ぶ条件は、二つだけです。自分が本気で追いかけたいと思えること。そして、それを追いかけると、会社も良くなること。この二つが重なっていれば、それが道しるべになります。

なぜそれを追いかけたいのか、うまく言葉にできなくてもかまいません。数字そのものが夢だ、という人もいます。それで十分です。追いかけているうちに、その意味が後から見えてくることも、よくあります。

  • 売上や粗利などの数字でもかまいませんし、数字でなくてもかまいません。「他社が断った案件を受けきる」「この技術を◯人に受け継ぐ」「◯◯を会社の標準にする」——達成できたかどうかを、他の人が判断できる約束であれば、それが道しるべになります。
  • これはノルマではありません。会社から与えられる数字ではなく、自分で決めて、自分で背負うものです。
  • そして約束するのは、「達成する責任」ではなく「説明する責任」です。なぜその指標を選んだのか/今どうなっているのか/なぜそうなったと考えるのか/だから次に何を変えるのか——それを自分の言葉で説明できること。それが4級の責任です。
    ですから、届かなかったとしても、その理由を読み解いて次の手を打てている人は、きちんと評価します。逆に、うまくいっていてもなぜうまくいったのかを説明できないのであれば、4級としてはまだ物足りません。「なんとなく頑張っている」で終わらせないための約束です。
1. 何を追いかけるか自分の道しるべを、ひとつ
2. なぜそれかなぜ追いかけたいのか(言葉にできる範囲で)。それを追いかけると、会社はどう良くなるのか
3. どう振り返るか半期の振り返りで、何を説明するか
5
「自分のやりたいこと」と「会社が良くなること」が、ほとんど同じものになっている

5級は、自分の得意なところを超えて、会社全体がうまくいくために動ける人です。それができるのは、がまんや自己犠牲ではなく、「自分のやりたいこと」と「会社が良くなること」が、ほとんど同じものになっているからです。それには、2つの形があります。

会社のめざす姿と重なる形:会社のめざす姿「OPEN THE GATE」——人と人、自然と人、働くことと楽しさのあいだに門を開き、つなぎ直していく——を深いところまで理解し、それを実現することが、自分のやりたいことそのものになっている。代表のまだぼんやりした構想を受け取ってみんなに分かる形にし、会社の人・設備・お金を使って新しい仕組みを立ち上げ、日々の仕事に根づかせていく。
自分の道と重なる形:ものづくりなど、自分の道を極めて生きること自体が人生の中心にあり、その道を歩ける場所としてこの会社を見出している。その環境を守り、後進を育てることが、自分のやりたいことになっている。会社に尽くそうとしているわけではないのに、結果として、会社に大きな力を与えてくれている。

どちらの形でもかまいません。どちらも、まわりから深く尊敬される、この会社の柱です。

そして5級の人は、自分が関わっていない場所まで、良くしてしまいます。

  • 仕組みを通じて:その人がつくった型ややり方が、その人がいない現場でも使われている。
  • 人を通じて:その人が育てた人が、別の場所で力を発揮している。
  • 空気を通じて:「この会社ではこうするものだ」という基準を、その人の振る舞いが決めている。誰も決めていないのに、その背中が手本になっている。

文化は、つくろうとしてつくれるものではありません。その人が本当にそう在るから、まわりに伝わっていくのです。だから5級は、「やりたいことと会社が、ほとんど同じになっている人」でなければ務まりません。

  • 挑戦している社員みんなの"やりたい"を、支える側に回れます。
  • 相手の気持ちが分かり、高いところから会社全体を見渡せる——いわば"人としての器の大きさ"が求められます。
やりたいことについて:自分の生き方のレベルで、会社との重なりを見出しています。会社のために動くことが、そのまま自分のやりたいことになっている状態です。
人への感性について:自然と相手のために動けることが、まわりから深く尊敬される土台になっています。その在り方そのものが、会社の文化をつくっています。
こういう人は、人からどう思われているかが、あまり気にならなくなっています。周りは周り、自分は自分。自分にはやりたいことがある——そう思えているからです。だからといって、まわりが見えていないわけではありません。まわりとのバランスは、ちゃんと取っている。それを、力まずに、ごく自然にやっています。
人の目を気にしなくてよくなると、その分の余裕が、まわりを見ることに使えます。だから相手の景色が、よく見えるのです。
★ 5級が引き受けるもの 4級では、自分の道しるべをひとつ決めます。では5級は何を引き受けるのか——5級が引き受ける成果は、「会社そのもの」です。
「あなたの担当はここまで」という線が引けません。会社がいまどういう状態にあるか、それ自体がその人の成果になります。だから5級は、自分の得意な領域を守るのではなく、会社全体を見て、いちばん詰まっているところに手を入れられるのです。
ただし、これは会社の全部を一人で背負え、という意味ではありません。4級と同じで、引き受けるのは「説明する責任」です。いま会社はどういう状態か。何が効いていて、何が滞っているか。だから次に何をするか——それを自分の言葉で語れること。それが5級の責任です。
6
「こういう世の中にしたい」という自分の願いを、事業の形にしていく人

6級は、自分の中から出てきた願いを、事業という形にして実際につくっていく人です。ここでは、会社の中を良くするだけでは足りません。会社の外の人たちと、一緒に幸せになる形をつくることが欠かせません。地域の人、お客さま、行政、同じ業界の人たち——立場も事情も違う相手と良い関係を結び、その人たちの幸せにもつながる形まで考えて動ける。これは6級にとって、あってもなくてもよいものではなく、なくてはならないものです。

  • 自分で「こういう世の中にしたい」という大きな願いをかかげ、立場の違うさまざまな人を巻き込みながら、事業をつくっていきます。
  • 会社(または子会社)の責任者として、売上と利益に責任を持ちます。
  • 会社の"かじ取りそのもの"を、安心して任せられる存在です。

なお、6級は5級の"先"というより、自分の道を進んだ先で「事業をつくる」という場面が訪れたとき、その土台となるために生まれる役割です。その場面が来るかどうかは、タイミングにもよります。だから、その場面が来ない人生も、まったく劣っていません。

やりたいことについて:自分のやりたいこと=この会社で、外に向かって門を開いていくこと、になっています。自分と会社と、会社の外の人たちが、一つながりになっている状態です。
人への感性について:会社の外——立場も事情も違う人たちの見ている世界まで想像し、その人たちと一緒に幸せになる形を考えられます。
株式会社乗富鉄工所
株式会社乗富鉄工所 / 期待役割・等級の定義 第1案(2026-07-22)