役割は、与えられるものではなく、
話し合ってつくるもの。
下のリンクから、記入用のシートをダウンロードできます。印刷される方は、A3で印刷してお使いください。
役割等級は、その人が会社の中で、どれだけ大きなことを任せられているかを表しています。簡単な仕事をたくさんこなせるかではなく、大事で難しい仕事を、会社がどれだけ安心して手放して、任せられるか。
そして、大きなことを任せられる人のまわりでは、良い影響の届く範囲も自然と広がっていきます。
役割等級は、順位の階段ではありません。あなたの良い影響が届く範囲が、波紋のように広がっていくイメージです。
どれでもかまいません(全部できなくても大丈夫です)。
他の部署とのあいだに立って調整する。外とのやりとりを引き受ける。だれに何をやってもらうかを決める。仕組みをつくって、うまくいっていないところを整理する。そうやって表からも裏からも手を動かして、まわりの人が安心して自分の仕事に取り組めるようにする——部門がうまく回るようにする道です(いわゆるマネジメントです)。ただし、この会社では必須ではありません。
たとえば他の部署とのあいだに立って、止まっていた話をまとめる/外とのやりとりを引き受ける/部門の仕事の流れをつくり直す/後輩が一人で任されるところまで育てる
この人にしか作れないものがある。この人にしか設計できないものがある。この人でなければ、やりきれない仕事がある。
細かい技の一つひとつではありません。仕事まるごとが、その人と結びついている状態です。人をまとめる役でなくても、役割は大きくなります。
たとえば他社が断った形を、任されて作りきる/新しい製品を、構想から形にする/難しい現場を、最初から最後まで一人で成立させる
会社の外で、その人個人が信用されている状態です。その業界の中で名前が知られ、一目置かれ、指名で相談が来る。
会社の信用を使う側から、会社に信用を持ち込む側に回るということです。営業だけの話ではありません。
たとえばその業界で名前が知られ、一目置かれている/指名で相談が来る/外での発言が、業界の中で重みを持つ
※まわりが働きやすくなること(人への感性)は、この三つには入っていません。道ではなく、どの道を歩く人にも持っていてほしい土台だと考えているからです。
※仕事の"大変さ"そのものは基準ではありません。
どんな仕事を、どこまで担っているか。
自分のやりたいことと、会社のめざす方向が、どのくらい重なってきているか。
人を見る力・関わる力が、どのくらい育っているか。
※このあとの1級〜6級のページで、それぞれ緑青の色分けで示しています。
1級の人が2級の人より劣っている、ということでは決してありません。いま会社が、どんな役割をその人と一緒につくっているか——それを表しているだけです。
自分の道を、同じ場所で深く歩き続ける人生も、まったく正しい。役割等級は進まなければいけない階段ではなく、自分がいま会社のどこにいるのかを知るための地図だと思ってください。
本人が申し出て、話し合って決めます。決まるまでの流れは、「成長対話の流れ」の章の通りです。
そのうえで、自分の意思で役割を軽くすることもできます。体調のこと、家族のこと、人生のいろいろな時期に合わせて、役割を減らしたいと思ったら、そう言ってください。そしてまた戻りたくなったら、いつでも戻れます。一方向に進むだけの道ではありません。

いちばん大事なところなので、はじめに書いておきます。
この仕組みは、「いま頑張っているから、もう4級だね」と会社が評価して決めるものではありません。
本人が「自分は、こういう役割を担いたい」と会社に申し出る仕組みです。言いかえれば、「自分に投資してください」と、自分から会社にプレゼンテーションすること——それが、この仕組みのいちばん根本にある考え方です。
だから会社は、これまでの成果を採点しているのではありません。これから担ってくれる役割に、先に投資するかどうかを判断しています。投資である以上、かんたんに決められるものではありませんし、こちらも真剣に向き合います。
そして投資である以上、「自分に投資してもらえたら、会社に何が返ってくるのか」を、自分の言葉で語ってほしいと思っています。
大きなことでなくてかまいません。先輩に聞かなくても自分で進められるようになることかもしれないし、まわりが困っていることを引き受けることかもしれない。その人にしか作れないものを持つことや、技術を次の世代に受け継ぐことかもしれません。形も大きさも、人によってまったく違います。
このあとの1級〜6級の説明を読んで、自分の場合はそれが何なのかを、考えてみてください。
役割等級が変わるときは、次のような流れで進みます。
本人が成長対話シートを書きます。ひとりで書き上げる必要はありません。サポーターと話し合いながら、少しずつ書き進めてください。
「自分はいまどこにいるのか」「次に何を担いたいのか」を、言葉にしていく時間です。
シート(申請書)の提出は必須ですが、それだけに限る必要はありません。補足の資料を添えたり、自分の思いをプレゼンテーションしたいという方は、ぜひそうしてください。
とくに大きな役割に進もうとする場合、会社にとっても非常に大きな判断になります。かんたんに合意できるものではありません。ですから、自分のやりたいことをしっかり伝えるために「シートだけでは足りない」と感じたら、遠慮なく資料をつくってきてください。
書き上げたシートをもとに、代表・人事担当者と話し合います。場合によっては、サポーターも同席します。
シートは、本人から会社への提案です。会社はそれを受け取り、「では、どういう役割があり得るか」を本人と一緒に考えていきます。
担う役割がはっきりし、本人と会社の両方が納得できたところで、役割等級が変わります。
この対話には、会社としてもかなりの時間と手間をかけています。ですから、本人にも、それなりの覚悟を持って臨んでほしいと思っています。
少なくとも、シートが書けていない状態で臨んだ場合、そのタイミングで役割等級が変わることは基本的にありません。それだけの真剣さで来てほしいのです。
そのかわり、私もその分、みなさんの気持ちに真剣に応えます。
役割等級が変わると、給料もそれに応じて変わります。それとは別に、いまの役割等級のまま毎年の昇給を決める場が「未来投資会議」です。くわしくは別のページにまとめています。
この会社で担う役割が大きくなるということは、給料が増えるだけでなく、まわりへの影響力が大きくなるということです。大きな役割を担う人ほど、その人の言葉づかいや機嫌や態度が、職場の空気を決めてしまいます。
だから、この会社では、仕事の力と同じくらい、「人への感性」を大切にします。ひとことで言えば、まわりの人が働きやすくなるかどうか、そしてこの人となら一緒にやりたいと思ってもらえるかどうかです。
それは社内だけの話ではありません。お客さまや、地域の人たちにも同じように働きます。「あの人がいるから、乗富に頼みたい」——そう思ってもらえる関係を、一人ひとりがつくっていける。人への感性は、会社のファンをつくる力でもあります。
できている・できていないの二つに分かれるものではなく、だれもが少しずつ育てていくものだと考えています。
「人への感性」とは、こういうことです。
そして、この「人への感性」は、担う役割が大きくなるほど強く求められます。各等級に添えた「人への感性について」が、その道すじです。

ここからは、1級から6級まで、それぞれがどんな役割を担っているのかを書いています。
それぞれに、やりたいことについてと人への感性についてを添えています。これは条件ではなく、役割が大きくなるにつれて、自然とそうなっていく——その道すじを描いたものです。
まわりに教えてもらい、助けてもらいながら、言われた仕事をやりきる段階です。
基本的な知識と経験が身についていて、こまかく指示されなくても、自分の担当の仕事を進められます。
ここには、2級との間に大きな段差があります。あっさり越えられる段差ではありません。2級が「自分の仕事をきちんとこなす」段階だとすれば、3級は、自分の仕事は完全に任せられる——大きめの仕事をまるごと任せても、見ていなくてもやりきる——そのうえで、自分の持ち場を超えて、まわりに仕事の流れをつくっている段階です。滞っているものを動かし、止まっていたものが回り始める——そういう働きをしています。
4級は、自分の仕事だけでなく、一つの分野や部門を"まるごと"引き受けて、良くしていける人です。ここに進むのは、決してたやすいことではありません。「言われた仕事をこなす」から、「自分でやることを決めて、その結果まで背負う」へと、役割が大きく変わります。ですから、"がんばります""担当を増やします"だけでは届きません。腹をくくって、その役割を引き受けること——それが4級です。だから、なんとなくで決めることはしません。
役割の広げ方は、次のどれでもかまいません(どれも「難しく・会社に効く」ことが条件です)。
そして4級は、若手が手本にし、「あの人みたいになりたい」と憧れる存在です。ただ仕事ができるだけでなく、その背中が、まわりの目標になります。
選ぶ条件は、二つだけです。自分が本気で追いかけたいと思えること。そして、それを追いかけると、会社も良くなること。この二つが重なっていれば、それが道しるべになります。
なぜそれを追いかけたいのか、うまく言葉にできなくてもかまいません。数字そのものが夢だ、という人もいます。それで十分です。追いかけているうちに、その意味が後から見えてくることも、よくあります。
| 1. 何を追いかけるか | 自分の道しるべを、ひとつ |
|---|---|
| 2. なぜそれか | なぜ追いかけたいのか(言葉にできる範囲で)。それを追いかけると、会社はどう良くなるのか |
| 3. どう振り返るか | 半期の振り返りで、何を説明するか |
5級は、自分の得意なところを超えて、会社全体がうまくいくために動ける人です。それができるのは、がまんや自己犠牲ではなく、「自分のやりたいこと」と「会社が良くなること」が、ほとんど同じものになっているからです。それには、2つの形があります。
どちらの形でもかまいません。どちらも、まわりから深く尊敬される、この会社の柱です。
そして5級の人は、自分が関わっていない場所まで、良くしてしまいます。
文化は、つくろうとしてつくれるものではありません。その人が本当にそう在るから、まわりに伝わっていくのです。だから5級は、「やりたいことと会社が、ほとんど同じになっている人」でなければ務まりません。
6級は、自分の中から出てきた願いを、事業という形にして実際につくっていく人です。ここでは、会社の中を良くするだけでは足りません。会社の外の人たちと、一緒に幸せになる形をつくることが欠かせません。地域の人、お客さま、行政、同じ業界の人たち——立場も事情も違う相手と良い関係を結び、その人たちの幸せにもつながる形まで考えて動ける。これは6級にとって、あってもなくてもよいものではなく、なくてはならないものです。
なお、6級は5級の"先"というより、自分の道を進んだ先で「事業をつくる」という場面が訪れたとき、その土台となるために生まれる役割です。その場面が来るかどうかは、タイミングにもよります。だから、その場面が来ない人生も、まったく劣っていません。